曹洞宗大本山永平寺 曹洞宗大本山永平寺は、今から約800年前の鎌倉時代に道元禅師によって創建されました。 33万平方メートルにも及ぶ広大な敷地には、山門・仏堂・法堂・僧堂・大庫院・浴室・東司など修行の中心となる 七堂伽藍(しちどうがらん)と呼ばれる建物をはじめ70余棟の建物が樹齢700年を超える老杉の巨木に囲まれ、静かにたたずんでいます。 戒律の厳しい修行の場としても有名で、現在も修行僧たちが坐禅と読経の日々を送っています。 食事も重要な修行のひとつ 大本山永平寺の開祖道元禅師は、ともすると軽んじられていた食事を、自然界の命をいただき命のもととするとして重要視しました。すなわち食事を司ることは坐禅や読経などと同様の修行であると位置づけています。食材のひとつひとつを自分の瞳を守るように大切に扱い、敬い、重んずる心がけが大切ともしています。精進料理とは単に料理を並べたものではなく、日々修行、日々努力、日々邁進していく中で出来上がっていくものを意味しています。 五観の偈(ごかんのげ) 道元禅師は、食事がと調うと生活が調うとお示しされました。 食事の前にお唱える言葉です。 ・一つには 功の多少を計り、彼の来処を量る。 (この食事ができるまでに携わった多くの方々の苦労や食材の尊さに感謝して頂きます。) ・二つには 己が徳行の全欠と忖って供に応ず。 (自分がこの食事を食べるにふさわしい行いをしたかどうか、反省して頂きます。) ・三つには 心を防ぎ過を離るることは、貪等を宗とす。 (むさぼり、いかり、愚かさの心を制し、正しい心と行いを持って頂きます。) ・四つには 正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんが為なり。 (単に空腹を満たすためでなく、心と身を養う薬として頂きます。) ・五つには 成道の為の故に、今此の食を受く。 (仏の教えを成し遂げるために、この食事を頂きます。)